過敏性腸症候群（IBS）とは？

過敏性腸症候群（IBS）は、腸の粘膜には明らかな病変や異常が見られないにもかかわらず、腹痛や便通異常（下痢や便秘など）が慢性的に続く症候群です。生活の質に大きな影響を与えることもあり、日本人の約10〜15％がIBSの症状を抱えていると言われています。

主な症状

  • 腹痛・腹部不快感（排便後に一時的に軽くなることが多い）
  • 便通異常
  • 下痢が多い（下痢型）
  • 便秘が多い（便秘型）
  • 下痢と便秘が交互に現れる（混合型）
  • お腹の張り（膨満感）
  • ガスがたまりやすい
  • 排便後もすっきりしない感覚

原因

IBSの正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています

  • ストレスや不安など心理的要因
  • 腸の運動機能の異常
  • 腸内細菌のバランスの乱れ
  • 過去の感染症（感染後IBS）

診断

IBSは血液検査や内視鏡などで明らかな異常が見つからないため、症状の経過やパターンをもとに診断されます。国際的には「ローマ基準」という診断基準が使用されます。

治療と対処法

  1. 生活習慣の見直し
    規則正しい生活
    食事の見直し（食物繊維の摂取、刺激物の制限など）十分な睡眠と休養
  2. ストレスマネジメント
    リラクゼーション
    認知行動療法などの心理療法
  3. 薬物療法
    整腸剤や下痢止め、便秘薬
    IBS専用の内服薬も使用されます
    抗不安薬・抗うつ薬（症状に応じて）

星野胃腸科外科医院では消化器病専門医による診断及び治療相談を行なっており、適切な治療を患者様と一緒に考えていく方針をとっております。

よくある質問（FAQ)

IBSは治る病気ですか？

思春期に発症したIBSは成長と共に症状が軽くなったり、完治することも多く見られます。命に関わる病気ではありませんが、完治を急ぐよりも「うまく付き合う」ことが大切です。適切な対処により、症状は大きく改善できます。

どんな食べ物に気をつければいいですか？

 脂っこい食事やアルコール、カフェイン、人工甘味料（ソルビトールなど）は症状を悪化させることがあります。また、FODMAP（フォドマップ）と呼ばれる特定の糖質も関係する場合があります。

最後に

IBSは、症状がつらくても病院で検査を受けても「異常なし」と言われてしまいがちな疾患です。しかし、正しく理解し、生活習慣や治療を見直すことで、症状をコントロールすることが可能です。また、その他の疾患とのきちんとした鑑別も重要となります。星野胃腸科外科医院では消化器病専門医、消化器内視鏡専門医による問診及び診察、必要に応じた検査を行い適切な診断の後に治療を行なっていきます。

気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。