クローン病とは?

クローン病は、消化管(口から肛門まで)に炎症を引き起こす慢性の腸疾患です。特に小腸や大腸に炎症が起こることが多く、若い世代(10~30代)に多く見られます。症状は良くなったり悪くなったり(寛解と再燃)を繰り返すのが特徴です。

主な症状

  • 腹痛
  • 長期間続く下痢
  • 体重減少・食欲不振
  • 発熱
  • 肛門の病変(痔瘻、裂肛など)
  • 全身のだるさ

症状は個人差があり、軽度から重度までさまざまです。

原因

クローン病の原因は完全にはわかっていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています

  • 免疫異常(自己免疫の過剰反応)
  • 遺伝的要因
  • 腸内環境の乱れ
  • 環境要因(食生活、喫煙など)

診断

クローン病の診断には以下の検査が用いられます。

  • 血液検査(炎症や栄養状態の確認)
  • 大腸内視鏡検査(粘膜の炎症や潰瘍の確認)
  • 小腸造影・CT/MRI検査
  • 病理検査(組織の詳細な検査)

星野胃腸科外科医院では採血、大腸検査、CT、病理検査によって診断を進めていきます。小腸のより細かな検査が必要な場合にはカプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡という小腸内視鏡が用いられます。その際には大学病院等をご紹介いたします。

治療と対処法

クローン病は完治が難しい病気ですが、適切な治療により症状を抑え、日常生活を快適に過ごすことが可能です。

  1. 薬物療法
    5-ASA製剤(メサラジン)
    副腎皮質ステロイド
    免疫調節薬
    生物学的製剤(抗TNF-α抗体など)
  2. 食事療法
    消化にやさしい食事
    高脂肪・高繊維・刺激物の制限
    栄養療法(エレンタールなどの経腸栄養)

星野胃腸科外科医院では経腸栄養剤から生物学的製剤まで全ての治療に対応しております。転居に伴う他院からのご紹介なども対応可能ですのでお気軽にお問い合わせください。

  1. 外科手術
    重度の腸狭窄、膿瘍、痔瘻などに対しては、手術が必要となることもあります。内視鏡での拡張術や外科治療に関しては専門的なチーム医療が必要になります。その際には大学病院等をご紹介し適切な治療を受けていただくことができます。

日常生活の注意点

  • 禁煙
    喫煙は病状悪化の大きな要因です
  • ストレス管理
    再燃のリスクを減らすために大切です
  • 定期的な通院と検査
    病状の安定化に必要です
  • 体調管理
    疲れをためない生活を意識しましょう

よくある質問(FAQ)

食べてはいけないものはありますか?

炎症が強い時期には、脂っこいもの、刺激物、食物繊維の多いもの(ごぼう、キノコ類など)は控えましょう。寛解期にはバランスの良い食事を心がけてください。

妊娠・出産は可能ですか?

 病状が安定していれば、妊娠・出産も可能です。主治医と相談しながら計画的に進めましょう。

最後に

クローン病は一生付き合っていく必要のある病気ですが、適切な治療と生活管理によって、仕事や学業、日常生活を送ることが十分可能です。星野胃腸科外科医院では、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医による診断と、炎症性腸疾患に対する経験豊富な院長による専門的な治療を受けていただくことができます。

ご不安な点があれば、お気軽に当院までご相談ください。